2013年4月12日金曜日

ファイルサーバに外付けRAID1ディスクを増設する

ファイルサーバを置く場合、1000BASE-T対応のNASも安く手に入るのですが、NUCやMini-ITXのPCにUSB3.0、eSATA等で外付けHDDをつないで多目的のファイルサーバ(Windows 7、Windows Home Server2011、Ubuntu、CentOS等)方法も良い選択肢になっています。特にPCサーバベースのファイルサーバのアクセススピードはNASと比較しても断トツに高速になります。

外付けHDDでRAID 1を使う(USB3.0接続)



PCサーバスペック:

  • CPU: Core i5 3470(3.2GHz)
  • OS: Windows 7 Professional 32bit
  • 外付けHDDケース:ら族の二世帯住宅(USB3.0接続)

我が家ではWindows 7 PCをストリーミングサーバ・エンコーディングサーバ・ファイルサーバとして1台で賄っています。その中でHDDのアクセススピード・転送スピードは早いものしたい一方、HDDは結構な頻度で壊れるため、大事なデータを保存するHDDはRAID1にすること考えました。ここで悩んだのがWindowsの標準機能のソフトウェアRAIDを使うか、H/W RAIDにするかを検討しました。今は2~3TBのHDDが安いとは言え、ぼんぼんとHDDを買うことも現実的ではないので、下記のような項目を検討した結果H/W RAID1の構成を選びました。左はクライアントPCからファイルを転送した時の転送速度となります。

  • 外付けHDDケースを用いたRAID1を考える
    HDDをケースに複数台内蔵するという考え方もありますが、ディスクの破損時に簡単にHDDを入れ替えることを考えると、外付けHDDでワンタッチでHDDを取り出せた方が好ましいということから外付けHDDケースを念頭に検討しました。なお、外付けHDDケースには複数台HDDを搭載可能なものが複数種類出ています。これらは大きく2種類に分けられます。①OSの標準ソフトウェアRAIDを使うもの、②H/W RAID機能を搭載したもの、の2種類になります。それぞれのケースで値段差があるので中々悩むところですが、実際に試行錯誤をして比較した結果、我が家では②を選びました。

  • Windows 7のソフトウェアRAID
    標準機能で付いている機能なので大きめのケースであれば複数台HDDを内蔵すればいいのではと考えました。しかし、 しかし、これが中々の罠でいつまでたってもRAIDの構築ができませんでした。また、思わぬタイミングでOSが不正終了した場合、RAIDの再構築をしてしまいRAID1のメリットである安定性を享受できないという結論になりました。
    サーバOSをCentOSやUbuntuにするという選択肢もあるので、安価なソフトウェアRAID自体を否定するものではありませんが、OSの再インストール等でRAIDを再構築するはめになるのはちょっと考えものだったため躊躇してしまいました。

  • USB3.0対応のH/W RAID対応ケース
    こちらのメリットとしてはRAIDをH/Wで実装するため、OSからは普通の外付けディスクと見えることです。これによって、OSの再インストール等やマシンの入れ替えの際にもディスクはそのまま使い続けることができます。しかし、これが思った以上にニッチで安価な製品では、ほとんど選択肢が全く無くて困り果ててしまいました。結局、購入時に選択肢に残ったのは「裸族の二世帯住宅屋根裏プラス」「裸族のテラスハウス RAID」のみを考えましたが、ファイルサーバとして使う場合には意外な落とし穴がありました。
    見た感じやメンテナンス性が明らかに悪いのですがラトックシステムも同様の製品「ラトックシステム USB3.0 RAID HDDケース(HDD2台用) RS-EC32-U3R」があり、下記の急所が内容ですので、こちらの方が万人受けするかもしれません。

  • 裸族の二世帯住宅・テラスハウスの急所
    実はカタログにも書いてあるのですが、両製品とも5分を超えるとスリープモードに入ってしまうということです。個人的にはてっきりHDDのスピンを止めるだけだと思っていたのですが、実はケース自身がスリープモードに入ってしまう仕様でした。これにより、場合によってはUSBディスクが認識されなくしまうということが起きてしまいました。この機能自体は変更することができなかったため、サーバ側の設定を工夫することにしました。
    ここではHDDのスリープを回避するために、5分未満毎にHDDにアクセスさせるようにします。フリーソフトを使うこともできますが、Windowsの標準機能でもタスクスケジューラー機能があるため、今回はこちらを使うことにしました。タスクスケジューラーではHDD上のダミーとなるバッチファイルを起動しています。これは、裸族~をGドライブとして、4分毎にディスクアクセスをするためのバッチファイルを起動しています。FドライブはRAMディスクとなっていて、不具合確認のため、最終アクセス時刻を記録するようになっています。

タスクスケジューラの位置
「コントロール パネル」>「管理ツール」>「タスクスケジューラー」



PreventSleep.bat
@echo off

time /t > f:\prevent-hdd_update.log

裸族の二世帯住宅屋根裏プラスのアクセススピード(ファイルサーバ上)

公式Webページ:

裸族の二世帯住宅USB3.0屋根裏プラス[CRNS35U3MR]
http://www.century-direct.net/N0-04437/

裸族のテラスハウス RAID[CRTS35EU3R]
http://www.century-direct.net/N0-04711/

2013年4月6日土曜日

Bluetoothオーディオ:オーテク ATH-CKS99BT VS DENON AH-W200

かなり前からデザインが気になっていたDENON AH-W200を購入したので、先日購入したAudio Technica ATH-CKS99BTと比較をしました。特にAH-W200は気になっていたものの、インターネット上でのATH-CK99BTとAH-W200の音質の比較が見つからなかったので、1記事として製品比較をしてみました。
AH-W200についてイヤーピースでの音の違いが大きかったため、赤字部分につき修正をしました。

性格の違う2つの製品

 



使用環境:

  • MacBook Air(MacOS X Mountain Lion) プレイヤー:VLCプレイヤー
  • Windows 7環境apt-x対応のBlootoothドングル(iBUFFALO BSHSBD04BK) プレイヤー:foobar 2000
両環境ともaptXコーデックを使用して、音源はflacファイル(ロスレス)でJazz(サックスメイン)、クラシック、POPSの曲から音域の広いもの女性ボーカル等を選んで比較しています。 なお、両製品ともイヤーチップは両方ともコンプライに変更しています。

  • SPEC/対応Profile
    両製品とも、Bluetooth3.0/apt-X対応(AH-W200はAAC対応が明記されているものの、ATH-CKS99BTには明記なし)。対応プロファイルはA2DP、AVRCP、HSPと同等の対応プロファイルになっています。なお、ATH-CKS99BTはヘッドフォンアンプ機能付き。一方、Web上では、AH-W500がノイズキャンセリングが付いているためわかりにくい表記なのですが、AH-W200にはノイズキャンセリングはついていません。
    apt-X再生可否は、Mac OS XではBluetooth Audioコーデックの確認ができます(apt-XはデフォルトではOFFになっているため別途、設定が必要です。設定についてはPC Watchの西川和久の不定期コラムが詳しい)。Windows 7についてはBluetoothのドングルによりけりですが、接続時にCSRマークのポップアップが出ていたのでapt-X接続であることが確認出来ます。

  • デザイン・装着感
    デザインはWalkman Wに似ている感はありますが、AH-W200が圧倒的に良いです。ATH-CK99BTはスクエア型のクリップ方式なので少しダサいです。装着感はデザインに依拠してしまうので、AH-W200は若干つけにくい(メガネのつるの形状によっては鑑賞するかも)しれませんが、イヤフォン部分の可動域が比較的大きいため、見た目よりはつけにくくないです。一方、ATH-CK99BTは普通のイヤフォン型なのでこちらの方がつけやすいのは間違いないです。ただし、本体部分の重量が少しあるので、ポケットにクリップでつける等、少し耳への装着とは違う部分を気にする必要があります。

  • アンテナ感度
    これだけは使って見ないとわかりませんでしたが、AH-W200が圧倒的に悪いと言わざるを得ません。デザインもしくはサイズに起因するのかはわかりませんが、Bluetoothのアンテナ(プレイヤー側、イヤホン側ともに)距離を少し置いてしまうと、音が途切れることがあります。通常使用では、稀に気になる程度ではありますが、ATH-CKS99BTではそういったことが起きないことを考えると、もうちょっとどうにかならなかったのかと不満を感じます。また、AH-W200のアンテナ近くを手で触れると断続的に音が切れるので、残念ながらおそらく結果的に感度の悪い設計になっているのだと思います。

  • 音質
    人によっての好き嫌いがあるので、個人的な意見として見て下さい。
    AH-W200一言で言うと、バスブーストでもこもこした音です。バスブーストの設定があってデフォルトONになっているのではないかと思ったくらい低音が聞いています。昔使っていたDENONのアンプも同様の傾向でしたので、DENONらしい音というのかもしれません。重低音が聞いていて、中音域、高音域が隠れてしまっているので、バランスが悪く、こういった音作りが好きでない人には破綻した音に聞こえるかもしれません。クラブミュージックには向いているのかもしれません。
    標準添付でもコンプライのイヤーチップが付いていたので、何も考えずにコンプライに変更してしまっていましたが、明確にコンプライのイヤーチップとの相性は最悪かと思います。標準のシリコンイヤーチップでは特に低音部がブーストされることも無く、非常に素直を出していました。一方、コンプライのイヤーチップの場合は非常に低音部分が強調された音作りとなっています。
    ATH-CKS99BTダイナミック型ドライバーで、良い意味でオーテクらしい音です。低音はあまり強く出していませんが、中音域から高温にかけて解像度も高いメリハリのついたモニターサウンドになっています。個人的にはAH-W200よりも、ATH-CKS99BTの音の方が好きです。JAZZ、ボーカルが映える音です。また、女性ボーカルのサ行が刺さる感じもありません。音作りについてはアンプ機能で音が調節されているのかもしれませんが、アンプをOFFにする事ができないので確認はできていません。前回の記事に書いたように有線イヤホン(Triple fi. 10ProにはBA3ドライバの粒度感、音の太さ)にはかないませんが、普段使いは十分な水準だと思います。

  • 値段感
    Amazon価格で、AH-200Wが12,000円前後、ATH-CK99BTは10,000円前後でほぼ同水準にです。

  • 操作感
    どちらも直感的にマニュアルを読まずにわかりました。AH-200Wは再生停止ボタンとボリュームボタン、通話ボタンしかついていないので、次選曲が再生ボタン x2回、前選曲が再生ボタン x3回なので、慣れていない人にはわからないかも知れません。また、停止ボタンが作動しづらい時もあります。一方、AHT-CKS99BTは、Holdスイッチもついていますし、次選曲、前選曲も別ボタンなのでこちらのほうが確実です。ただし、再生/停止ボタンをクリップに挟む時に間違って押下してしまうことがあります。

  • バッテリーの持ち
    両製品とも連続で聞いていて、4~5時間程度とカタログスペック通りです。なお、AHT-CKS99BTの方が心持ちバッテリーの持ちが長いような印象があります。

参考ページ:

前回記事:
Bluetoothイヤホンをどう選ぶか - ATH-CKS99BT購入
http://nobitake.blogspot.jp/2013/03/bluetooth-ath-cks99bt.html

公式Webページ:

DENON AH-W200
http://www.denon.jp/jp/Product/Pages/Product-Detail.aspx?Catid=LifestyleHeadphones&SubId=GLOBECRUISER&ProductId=AH-W200#.UV-h06JTDzw

Audio Technica ATH-CKS99BT
http://www.audio-technica.co.jp/atj/show_model.php?modelId=2271